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(閑話休憩をはさんで再びドップラーシリーズ)


さて、「声の高さ不足」という切実かつ深刻な問題を打破する為に白羽の矢が立ったのは、そのときたまたま部室に残っていた、裏生物部の最終兵器、Aさん!! (ペンネームが未決定の為仕方なくイニシャルで)



眼鏡ちゃんよりも足が速く参謀よりも声が高い、この条件を見事にクリアし、尚且つ「ノリが良い」というまさに金の卵な状態のAさん。部室には他にも、リス姐、茄子さん、T様など、確かに必要最低条件はクリアしている逸材は沢山残っていたのですが、リス姐と茄子さんはなにやら忙しそうだし、T様も同上。本当はAさんも色々とやるべきことがあったみたいなんですがなんとか説き伏せて、心優しく引き受けてくれたAさんに全てを託すことに。



さあ、そんなわけでいざ、スタートラインに立つAさんにメガホンを装備!眼鏡ちゃんや参謀がそうしたように、スリッパを脱いでもらい気合を入れて頂きます。



ライン上に立ったからにはもう既に、逃避の二文字はAさんに用意されてはいません。なぜなら、

それが裏生物部だから

「合宿でのレクレーションの司会は鼻眼鏡を装備してやります」なんてふざけたことでも、例えその場のノリだろうが言ってしまったからには、実行させるのが裏生物部。漢に二言は無いのと同様、我が部に二言は許されておりません。



なので、部内では下手なことを言うべきではないのですが、それはまあさておいて。そうこうしている間に覚悟が決まったAさんは、メガホン片手に準備万端。
幾度もの失敗を繰り返し、ここまで到達してようやく成功の兆しが見え始めたドップラー大実験に、皆が期待を膨らませます。




――ということで、走って頂こうではありませんかAさん!!




「よーい、どんっ!!」



再び、廊下に幾度響いたか知れない合図が、走行開始を知らせます。瞬間、メガホンを手に走り出すAさん!勿論そのスピードは眼鏡ちゃんを圧倒的に凌ぐ勢い!!
っていうか、Aさん居たんだったら私に走る意味はあったのかと若干の疑心暗鬼に駆られる眼鏡ちゃんですが、そんな疑念を吹っ飛ばす勢いでAさんは走ります!


助走スペースを順調なペースで走りきり、あとは肝心要の発声ゾーンまで距離は僅か!!皆が固唾を呑んで見守る中、ついにAさんの足はラインを飛び越えて――――!!




あ―――――――ッッ…………!!




!!!



しかしながらAさん、なんとゴール直前でまさかのダウン!!騒然(?)となるその場ですが、経験者には分かります。


あれ絶対続かないよね、息!!


肺活量だけの問題ではなく、精神的に辛くなってくるんです呼吸が!!
まあ眼鏡ちゃんの場合前者が、ほぼ八割方失敗の原因を担っているんですが、Aさんの場合は大よそ間違いなく、後者から来る失速。身体能力だけでなく、メンタル面での強さも求められるこの実験は、ある意味高校生にとっては過酷なのかも知れません。
(そんな中、結果は失敗でしたがあの距離を走ってのけた、部長と参謀はマジで凄いと思います)



さて、で、本当に惜しい所で無念にもダウンしてしまったAさんですが、そのままゴールを駆け抜け廊下の突き当りまで走って行ってしまいました。惜しくも実験結果は残念なことになりましたが、健闘だったことになんら変わりはありません。その勇姿を讃えに行こうと、Aさんの後を追いかける眼鏡ちゃんでしたが………




「あ――――っははははははは!!!ははっ、はははははははッ!!」




!!?



突如その場に轟く哄笑。それはもう、これでもかと言うほどの大音量で、空を冒涜するかのように苛烈な笑い声が、校舎内に響き渡ります。


「どうしたのAさん!?」


無論、そのただならぬ様子に駆け寄る一同。するとそこには、廊下の隅で腹を抱えながらひたすら笑い続けるAさんの姿。
一体彼女になにが起こったというのでしょう。私を始めとする、アジさんやSさんがなだめにかかりますが、一向に止まらないAさんの笑い。このままではいずれ窒息死してしまうのではないかと思うほどの、凄まじい勢いでAさんは笑い続けます。


「ちょっ、Aさん!?しっかりしてAさん!!」


パニックが起こるその場。三人がかりで正気に戻そうと奮闘しますが、全く効果なし。成す術無くその様子を見守ることしかできない私たちですが、不意に、Aさんはムクリと起き上がって幽鬼の如くフラフラと歩き始めます。



どこからどう見ても大丈夫そうじゃないその様子に、Aさんを追いかける三人。するとAさんは、滅茶苦茶に微笑みながら、一言言いました。


「私にまだこんな羞恥心が残ってるだなんて思わなかったよ!!」



……………。

Aさ―――――んッ!!?(汗)



大丈夫ですよAさん!!そんなこと言わないで下さい!!どこかのモンテスキューとか言うオッサンも「羞恥心は全ての人にまことにふさわしいものである」って言ってますから!!羞恥心っていうのは全人類にもれなく相応しいはずです!!



眼鏡ちゃんやアジさん達、更には部長や参謀の説得(?)も虚しく、壊れたように笑いが止まらないAさん。




――――……その後、彼女がようやく正常に作動し始めたのは、リス姐による強烈なツッコミが施された、およそ十分後の話でした……。




で。




あやうく人を一人、精神崩壊による再起不能状態にまで陥れそうになった今回のドップラー大実験ですが、実験結果を単刀直入に言わせて頂きますと、

「失敗」

途中、部長の懸命の走行によって「おお!?」っと来る所までは行ったんですが、残念ながら明確なドップラー効果を観測することはできませんでした。


うーん、残念。


結局の所、救急車なんていう鉄の塊に負けてしまったという大変惜しむべき終末になってしまったのですが、なに、結果なんていうのは些細な問題です。要するにそこに至るまでの過程でどれだけ努力したか。それが一番大切なんじゃないでしょうか?


ハイ、そこ「負け犬の遠吠え」とか言わない。


少年漫画なら「敗北」の後は「リベンジ」と相場が決まっていますけれど、残念ですがこんな実験のリベンジなんて、絶対にしたくありません。



いやに体に残る疲れをぶら下げて、肩を落としがちに今回の実験はこんな感じに終了しました。皆さんも、恥と外聞と人間的な尊厳を捨てる覚悟がおありなら、一度実践してみてはいかがでしょうか?
まあ、その結果人格が崩壊しようとプライドが崩れ去ろうと、我が部は一切責任をとりませんが。




以上が、部長の興味と探究心から始まった今回の「恐怖のドップラー大実験」の全貌でした。将来の目標が科学者という部長ですが、実験の都度部員を使うのは、確かにネタとしてはアリかも知れませんけど精神的にはナシですよ!?
今度は幸せいっぱいギワ子先生を実験台にしてやってみて下さい。きっと面白いデータが取れると思います。(笑)




毎回毎回、書くたびに長くなる眼鏡ちゃんのレポートでした。今回も案の定、最後が一番長かったっていうオチです。ここまで飽きずに読んでくれた方(いるのか?)、ありがとう御座いました。


一週間に一度更新という無謀な野望に、「じゃあ夏休みどうするんだろ」という深刻な悩みを抱えつつ、それでは眼鏡ちゃんは失礼させていただきます。


では次回の更新で。


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